鉛筆デッサンが上達する10のこと/前編
1. 題材(モチーフ)を、五感を使ってよく観察して、自分の中に取り込む。
描く前の時間をたっぷり取りましょう。描きたい気持ちをグッと我慢して、しっかりと観察することが大切です。
身近なもの、普段使い慣れているもの、好物の食材、愛でるものを題材にすると、上手く描ける確率が上がります。すでにある程度、自分自身の中に取り込めているからですね。。ただ、絵のモデルにするとなると、さらなる観察が必要です。普段は気づかなかったところを10個見つけるんだという気持ちで、観察してみてください。
2. 紙面に対して視線が直角になるように、紙面をセットする。
イーゼルをお持ちの方は、イーゼルを使えばそれで良いんですが、お持ちではない方、テーブルや机にスケッチブックを置いて書いていませんか?そうやって描くと、パースがついて(遠近の法則で)上の方が伸びた絵になってしまうんです。方法を紹介します。まず、テーブルの上に描きたいモチーフを置きます。椅子に腰掛けて、太ももの上にスケッチブックを立て、テーブルの淵にスケッチブックを立てかけてみてください。紙面が起きて、自分の視線が紙面に直角に注がれるのが確認できたら、OKです。利き手ではない方の手をスケッチブックに添えて、描きましょう。スケッチブックがぐにゃぐにゃする時は、硬い図版(カルトン)のようなものをスケッチブックの下に添えると描きやすいです。
3. 視点を固定する。
何かを見て描くときの基本です。これができていない人がたくさんいますが、50M走で、後ろ向きに走ってタイムを出そうとするくらい間違っています。まず、姿勢を正しましょう。椅子に深く腰掛けて、背筋を伸ばし、背骨を骨盤にしっかり立てるような気持ちで姿勢を保ちます。自分の目玉の位置を確認して、最後までその景色(見えている景色、モチーフの状態)がずれないように気をつけながら描き進めます。利き目で平面視する方法がありますが、それも視点が固定されていないと意味がないので、正しい姿勢と視点の固定は、デッサンには欠かせない事です。
4. 輪郭線を描く手順
輪郭線を捕まえるところからスタートしますが、紙面にモチーフを配置する場所決めと、モチーフの大きさ、質量をとらえる意味で、大きな塊の外側の、自分が分かりやすいポイントを決めて、点で印をつけていきます。このとき、決して濃く描かないように、薄く薄く描くようにしましょう。点をおきながら、距離や角度を見比べて、正解の場所を見つけていきます。どんはふうに描いていけば良いのかは、私が実践しているYouTube動画がわかりやすいので、下記からご覧くださいね。一度、ここだと決めた場所でも、最後まで信用せず、常に答え合わせをしながら、(修正を加えながら)描き進めましょう。輪郭線が狂っていると、いくら上手に陰影が付けられたとしても、下手なデッサンで終わってしまいます。輪郭線の完成度で、デッサンの良し悪しが大きく変わります。また、描き進めてからの修正がとても厄介ですので、早いうちに正解を探せるようにトレーニングしましょう。
5. モチーフと紙面、8:2の割合で見る。
初心者の方は、一生懸命描こうとすればするほど、自分の絵ばかり見て、消しゴムで描いては消し、描いては消しを繰り返します。つまり、目の前のモチーフを見ようとしません。答えはちゃんと目の前にあります。モチーフが正解。自分の絵は間違い。そう思って、モチーフをしっかり見て、モチーフの真実を写しとってください。
私の解説付きの実践動画をYouTubeにアップしています。
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